ドローン空撮による3D地形測量の技術開発

ドローン

NPO法人グリーンアースでは(株)オカベメンテ(岡部成行代表)との共同で、「ドローン空撮写真による3D地形測量」の技術開発を進めてきました。
平成28年度からは琉球大学工学部環境建設工学科の藍壇オメル教授との共同で、「3Dモデル及びドローンを活用した地域防災の研究」を進めています。

安倍総理は未来投資会議において、「建設現場の生産性を2025年までに20%向上させるため、3年以内に橋やトンネル、ダムなどの公共工事の現場で、測量にドローン等を投入し、施工、検査に至る建設プロセス全体を3次元データでつなぐ、新たな建設手法を導入する。」と発表しました。
内閣広報室 ⇒ リンク  国土交通大臣提出資料 ⇒ PDF

本技術開発の特徴

ポイントを設置した場合の高精度な計測
3Dトレースによる鮮明化・データ軽量化
上記データの設計施工3D(CIM)への活用
エッジの平行投影による平面図作成

UAV等を用いた公共測量で納品対象となる2D現況図

「i-Construction」でのUAV等を用いた公共測量(国土交通省)では、納品が必須となるものとして、3D測量データの他に2D現況図(平面図・縦断図・横断図)が求められています。
(i-Construction【ICT活用工事(土工)】講習会資料より)

ドローン空撮3D地形測量の事例

ドローンで現況地形を空撮

ドローン空撮
撮影時間:約20分、写真枚数:約100枚
(現地地形や撮影範囲によって異なります)

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ドローン空撮写真をPhotoScanに取込

写真取込

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点群データの構築

点群データ

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メッシュデータの構築(未分類の状態)

未分類メッシュデータ

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樹木・車等の自動分類・除去

樹木等除去

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メッシュデータの再構築(樹木等除去状態)

分類メッシュデータ
ここまでのPhotoScan作業時間:約1時間
(現地地形や成果目的・要求精度等によって大きく異なります)

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3DモデルをSketchUpにインポート

SketchUpインポート

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凹凸を修正して3次元トレース

3次元トレース

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再びPhotoScanで写真を貼付けてインポート

写真貼付

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完成3Dモデルの拡大画像-1

拡大画像-1

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完成3Dモデルの拡大画像-2

拡大画像-2

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等高線の作成

等高線

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真上からの平行投影

真上平行投影

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平面図の作成(DXFデータ:ベクター)

平面図

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縦横断の断面位置

断面位置

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縦横断図の作成(DXFデータ:ベクター)

縦断図
ここまでのSketchUp作業時間:約1日半
(現地地形や成果目的・要求精度等によって異なります)

3D地形作成作業時間合計:約2日
(各条件によって大きく異なります)

PC桁での写真解析3Dモデルの精度検証

PC桁

PC桁をドローン空撮及び地上デジカメにて撮影した写真をPhotoScanに取り込んで解析した3Dモデルの精度検証を実施しました。(下記は各カメラでの3D座標誤差)
●ドローン空撮:誤差=3.6mm(平均)
●地上デジカメ撮影:誤差=5.4mm(平均)
●ドローン+デジカメ撮影=4.0mm(平均)

詳しくは、「写真解析精度検証論文」⇒ PDF

 

ドローン空撮による熊本震災調査-1

阿蘇大橋

琉球大学島嶼防災研究センターの「2016年熊本地震第2調査団」(藍檀オメル団長)に同行し、崩落した阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村立野~黒川)周辺の斜面崩壊及び橋梁崩落について、ドローン空撮による画像解析を行い、3Dモデルから分析した調査結果をまとめました。

詳しくは、「熊本震災調査-1」⇒ PDF

 

島嶼防災研究センター報告発表会での特別講演

特別講演

平成28年8月12日に開催された琉球大学島嶼防災研究センターの報告発表会において、「ドローンによる3次元の地形・構造体の計測と設計・防災等への活用」と題した特別講演を行いました。

詳しくは、「特別講演資料」⇒ PDF

 

CIMの総合的な有効活用事例

 

◆ドローン空撮による3D地形測量技術開発のコンセプト◆

国土交通省が推進する「i-Construction」の一環として、ドローンを使った測量環境の整備が進められています。(H28.3.30測量マニュアル公表:数値地形図データ及び三次元点群データ)

YouTube動画やマスコミ等でもドローン測量が数多く取り上げられていますが、その利用のほとんどは点群データを用いた土量計算や横断図作成といった建設業にとって限られたものと感じます。

点群データから作成されたメッシュデータ(三角形の集合で構成される面データ)にしても、表面の凹凸が目立ったり写真テクスチャがぼやけて不鮮明なものも多く見られます。

3D-CADの技術進歩は今後もスピード感を持って進められるものと予想されますが、土木業界においては例えばクロソイド曲線等の平面線形設置には2Dの平面図が必要であり、縦断勾配設定には2Dの縦断図が、幅員や片勾配等に関しては2Dの横断図がこれからも併用されていくこととなります。

空撮による3D地形測量に関しても3Dモデルのみではなく、2D平面図や2D断面図に変換出来るように3Dモデルのエッジを3次元トレースすることが非常に重要となり、ここではSketchUpを用いてこれらの課題に対応すると共に、無数の三角形メッシュから一様な面への編集によるデータの軽量化を図って、鮮明写真テクスチャの貼り付けを可能にしています。

又、本ページにアップした動画のように施工CIMや工事完了後イメージパース等の幅広い活用のためには、現況地形においても施工対象構造物にマッチした正確なモデリングが必要となり、更にリアル感を持たすためには写真テクスチャの鮮明さも重要なポイントとなります。

本技術開発では上記の課題等に対応するために、画像解析ソフト:PhotoScanと3Dデザインソフト:SketchUpの機能をフルに活用して、「建設業の多方面への幅広い活用」・「正確なモデリング」・「フォトリアリスティックな画像処理」を満足する3Dモデル構築をテーマにしています。

測量の長い歴史の中での「人間による地形測量」の常識は、人間が立入困難な場所や、災害時にも有効に活用出来る「ドローンによる地形測量」に大きく変わろうとしています。

これからも私たちはドローン空撮技術や画像解析技術を更に向上し、ドローン空撮測量の精度を高めるよう研鑽していきます。

2016年4月

開発担当:鈴木浩一・岡部成行

 

元日経コンストラクション副編集長・「CIMが2時間でかわる本」著者である家入龍太さんの『建設ITブログ』にて本技術を紹介して頂きました。
“ドローンからBIM/CIM、環境まで!沖縄にすごいNPO法人があった” ⇒ リンク

ドローン空撮による3D測量については、(株)オカベメンテまで御相談下さい。 ⇒ リンク

国土地理院:無人航空機(UAV)を用いた公共測量 ⇒ リンク