CPDSセミナー報告(平成26年度・後期分)

平成26年度10月特別セミナー(H26.10.3)

「建設業における地球温暖化対策」(J-クレジット制度とカーボンオフセット&「改正土壌汚染対策法」(建設業の土壌汚染対策)
(宜野湾マリン支援センター・宜野湾市)
講師:古家 克彦氏((一財)沖縄県環境科学センター)

古家講師4

10月特別セミナーは(一財)沖縄県環境科学センターの古家克彦環境科学部長をお迎えし、午前の部は「建設業における地球温暖化対策」と題した講演でした。
はじめに我が国の温室効果ガス排出量の現状説明があり、2012年度の総排出量は1990年比+6.5%であったが、森林等吸収源及び京都メカニズムクレジットを加味すると、5カ年平均で-8.4%となり、京都議定書の目標(-6%)を達成したとのことでした。
2012年度の温室効果ガスに占める割合は、CO2が約90%、エネルギー源のCO2部門別排出量は、産業・業務その他・運輸・家庭の順になっているとのことでした。
次にJ-クレジット制度の概要説明があり、省エネ・低炭素設備の導入等を行った中小企業等に、J-クレジットの買い手である大企業等からの資金を循環させることによるメリット等の解説がありました。
又、制度を利用する場合の手続きの流れや、プロジェクト実施者の要件、認証の要件等の説明があり、実施にあたっての支援内容についても詳しく解説して頂きました。
NPO法人グリーンアースのCPDSセミナーにおいても、受講者アンケートにより受講者が各セミナー会場まで利用される自動車のCO2排出量を計算して、クレジットを活用しています。
続いて、カーボンオフセットについての説明がありました。カーボンオフセットとは、自ら削減出来ないCO2を他の場所で実現したCO2削減・吸収量の取組に対して支援することによって埋め合わせをすることです。
沖縄県での事例として、宮古島トライアスロン大会やエコカーを活用したタクシー会社などの紹介があり、全国的な事例についても詳しく解説して頂きました。
地域の活性化や企業のマーケティング戦略等においても、今後益々注目されるであろうカーボンオフセットについて、良く理解出来る講演であったと思います。

261003会場

午後の部は、同じく古家講師による「改正土壌汚染対策法」と題した講演でした。
まず、環境法と土壌汚染の歴史についての説明があり、平成22年4月から施行されている改正土壌汚染対策法について解説して頂きました。
改正のポイントは、①法律に基づいた調査機会を増やす、②汚染土壌の移動の抑制、③掘削除去に偏っていた対策の是正などで、3,000m2以上の土地の形質変更の届出や、形質変更時要届出区域等についても説明をして頂きました。
次に土壌汚染の状況、調査についての解説があり、調査対象物質や土壌汚染によって見られた影響、汚染原因等について詳しく説明して頂きました。
続いて土壌汚染状況調査の手順説明があり、地歴調査、試料採取等を行う区画の選定、ボーリングによる土壌調査等についても詳しい解説がありました。
又、土壌汚染対策として舗装や盛土、土壌入換え、原位置不溶化、原位置封じ込め、土壌ガス吸引、地下水揚水、生物的分解、化学的分解、原位置土壌洗浄、掘削除去等の手法についての説明があり、最後に油汚染対策ガイドラインについても詳しく解説して頂きました。
米軍基地の跡地利用等において、沖縄でも土壌汚染の事例が多く報道されている中、非常に勉強になる講演であったと思います。

平成26年度10月定例セミナー(H26.10.18)

「仮設構造物設計の基礎」&「仮設構造物の設計事例と注意点」
(浦添市産業振興センター結の街・浦添市)
講師:本間 政幸氏(フジミコンサルタント(株))

本間政幸講師-3

10月定例セミナーはフジミコンサルタント(株)の本間政幸顧問をお迎えし、午前の部は「仮設構造物設計の基礎」と題した講演でした。
はじめに、ボーリング柱状図の見方や土質分類、物理試験結果の見方といった基礎的な説明があり、続いて粘性土の強度試験結果、圧密試験結果、内部摩擦角、粘着力等に関する説明がありました。
次に、鋼矢板の断面性能や工法、自立山留めの計画・設計法、切梁式土留めの設計法等の解説をして頂きました。

261018会場

午後の部は同じく本間講師による「仮設構造物の設計事例と注意点」と題した講演でした。
まず、仮設構造物のトラブル事例と注意点として、水に関するトラブル(パイピング、ボイリング)の説明と対策、ヒービング、鋼矢板引抜きによる地盤変状、擁壁の変状等の説明と対策についての解説がありました。
続いて、斜面の安定に関する講義に移り、切土法面の崩壊と対策工法事例、盛土法面の変状・崩壊についての解説、盛土の安定性照査、地すべりの発生形態、安定解析等について詳しく説明して頂きました。
又、斜面のトラブル事例として、盛土自体のすべり、水浸沈下のトラブル、ブロック積擁壁背面盛土の崩壊、高速道路での盛土法面崩壊、沖縄県中城村安里での地すべり等についての解説がありました。
設計基準等においては建築と土木での違い等の解説もあり、特にコンサルタント技術者にとっては非常に勉強になる講演であったと思います。

平成26年度11月石垣・宮古・定例セミナー(H26.11.13-11.15)

「NATMの概論と施工」&「新技術と現場組織の管理」
(建設業協会八重山・宮古支部、沖縄市農民研修センター/石垣市・宮古島市・沖縄市)
講師:西川 秋弘氏((株)NDC代表取締役)

西川講師-2

11月石垣・宮古・定例セミナーは(株)NDC代表取締役の西川秋弘講師をお迎えし、午前の部は「NATMの概論と施工」と題した講演でした。
はじめに、山岳トンネルの施工手順の説明があり、着工から掘削開始まで・トンネル工事に使用する機械類・トンネル施工サイクル・坑外仮設備等について写真を交えて詳しく紹介して頂きました。
次に、山岳トンネルの歴史・日本および世界の代表的なトンネルの紹介があり、トンネルの調査・設計・施工の流れ、トンネルの内空断面設計についての解説がありました。
NATMの概論としては、地質調査と支保パターン、支保部材の機能、変位の収束、切羽前方探査等の説明、工法として全断面工法、ベンチカット工法、中壁分割工法、底設導坑先進工法等の解説がありました。
又、切羽の安定対策、発破掘削と環境問題等についても詳しく説明して頂きました。

261115会場

午後の部は同じく西川講師による「新技術と現場組織の管理」と題した講演でした。
まず、高盛土における情報化施工の実用性の検証として、前田式IT土工システムの解説があり、GPS受信設備、撒出し管理システム(ブルドーザー)、締固め管理システム(振動ローラー)、油圧ショベル3次元施工システム、出来形測量等について詳しく紹介して頂きました。
次にトンネル施工におけるフリードームシステムの説明があり、部材構成や組立状況、ストレステスト、養生効果等について写真・図表を用いて詳しい解説がありました。
最後に、西川講師の現場での所長としての経験を踏まえて、現場組織の運営管理に関するお話があり、事故が発生した場合の対応方法や所長としての行動、リスク管理、企業防衛といった貴重な経験談を紹介して頂きました。
午前・午後を通して、沖縄ではなかなか聞けない内容で、大変勉強になりました。

平成26年度12月定例セミナー(H26.12.13)

「建設技術者の海外進出について」&「環境保全のための新技術」
(石川地域活性化センター舞天館・うるま市)
講師:田中 克氏((株)沖成コンサルタント)&新井 斉氏(日本セイフティー(株)他)

田中講師

12月定例セミナー午前の部は、(株)沖成コンサルタントの田中克講師による「建設技術者の海外進出について」と題した講演でした。
田中さんは海外3ヶ国でのJICAシニアボランティアとしての活動経験があり、それらの経験談をお話して頂きました。

まず、海外へ派遣されるために必要な条件については
①技術力を客観的に証明するものが必要であること
②語学力(英語力:TOEIC500点以上)
③健康であること
ということで、田中さんは福岡のコンサルンタント定年退職前後に、①のための技術士資格を取得し、②のための英語の猛勉強を重ねられたとのことでした。

派遣国については第1回目がミクロネシア連邦、第2回目がタイ王国、第3回目と4回目がザンビア共和国だったとのことで、ミクロネシアでは公共事業の基本計画や工事管理を担当され、セントラルヤップ道路の平面線形や縦断線形の改良等に尽力されたとのことでした。又、タイではGISの活用や道路景観検討等について活動されたお話をして頂きました。

261213会場

ザンビアでは主にコンクリートやアスファルトの品質向上に関する指導をされてきたとのことで、試験室の整備から始まり試験要領や施工管理要領の作成といった、開発途上国では整備されていない品質管理体制の向上に非常に御尽力されたとの貴重なお話を聞かせて頂きました。

田中さんの長年の海外活動と、現在でも常に前向きにチャレンジされている姿勢に、心から敬意を表したいと思います。


午後の部は3人の講師による「環境保全のための新技術」と題した講演でした。

大倉講師

まず日本セイフティー(株)の大倉龍一講師より「仮設機材の海外事情と省力化」に関するお話がありました。
アジアの先進国では、現在でも丸太や竹の足場が使用されているとのことで、安全性や施工性に不安が残るとの解説がありました。

次に、ビデオを使って工事用シート開閉システムの紹介があり、ラスベガス建機展でのシステムサポート型枠や、オーストリアでのクサビ足場、韓国やタイ、中国等の建設現場の現状についても説明して頂きました。

又、日本の次世代足場として多くの製品を紹介して頂き、多機能工事用シート開閉レールについても詳しく解説して頂きました。

新井講師

新井斉講師からは、「ベントナイト系遮水シート」に関するお話がありました。
ベントナイトとは大昔の海底・湖底に体積した火山灰が、様々な自然要因により天然生成された粘土で、水中で自身の体積の数十倍に水を吸収して結晶が膨らみ、ナノサイズに分散させるといった特徴を持っており、この特性を活かした簡単に均質な遮水層を半永久的に形成できるのが”ベントナイト系遮水シート”だとのことです。

用途としては、動物の尿を吸収固化させる猫砂や農業の粘結材から、土壌改良材、基礎工事でのアースドリル工法やトンネル工事でのシールド工法、農業用ため池や公園池のバリヤ材、廃棄物処分場での汚染物質の封じ込めバリヤ材といった例があるとのことで、遮水機能が非常に高く、土等の被覆層下で遮水層の自己修復機能を持つ等の優れた特性を持っているとのお話でした。

実例として、農業用ため池・ゴミ埋立処分場・河川護岸等の写真紹介があり、沖縄県での施工事例として南大東村の貯水池での施工例を解説して頂きました。

清水講師

丸紅テツゲン(株)の清水敬三講師からは「土木工事における新材料」のお話がありました。
水を通さない性質を有する”ジオメンブレン”という材料に注目され、その種類と特徴、遮水工としての用途例の解説がありました。

貯水池・廃棄物処分場・トンネル等で非常に高い遮水機能を発揮されているとのことで、詳しい施工方法や漏水検知システムについても説明して頂きました。

沖縄でも今後広く活用されていく可能性の高い新材料について、詳しく理解できる貴重な講演であったと思います。

堀田昌英講師-2

平成26年度1月定例セミナー(H27.1.17)

「建設現場のおける議論の可視化と合意」&「建設業の国際協力の必要性について」
(沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:堀田 昌英氏(東京大学大学院教授)&若杉 聡氏(JICA沖縄研修業務課長)

270117会場

1月17日(土)に沖縄県総合福祉センターにて1月定例セミナーが開催され、午前の部は東京大学大学院の堀田昌英教授による「建設現場のおける議論の可視化と合意」と題した講演でした。

講演概要は、1.合意形成、2.事業実施時の協働、3.受発注者間の調整・協議、4.評価・モニタリングといった項目について、議論を可視化して合意形成に至るまでのアプローチを説明して頂きました。

若杉講師-2

午後の部は、JICA沖縄研修業務課の若杉聡課長による「建設業の国際協力の必要性について」と題した講演でした。

講演の概要は、1.ODAとJICA事業、2.沖縄とJICA、3.沖縄県建設産業ビション2013、4.ビデオ「人々のためのインフラ~アジアハイウェイ~」、5.JICAの途上国インフラ支援、6.JICAによる本邦企業海外展開支援、7.体験者は語る、8.まとめ、という項目について、幅広い観点から詳しく解説して頂きました。

吉田陽一講師

尚、この中の「体験者は語る」では元オリエンタルコンサルタンツの吉田陽一さんより、ミャンマーなどでの建設コンサルタント経験に基づいた実例を紹介して頂きました。

平成26年度2月石垣・宮古セミナー(H27.2.12、2.13)

「仮設構造物設計の基礎」&「仮設構造物の設計事例と注意点」
(建設業協会八重山支部・石垣市及び建設業協会宮古支部・宮古島市)
講師:本間 政幸氏(フジミコンサルタント(株) 顧問)

本間政幸講師-4 270212会場
2月12日(木)・13日(金)に建設業協会八重山支部及び宮古支部にて2月石垣・宮古セミナーが開催され、フジミコンサルタント(株)の本間政幸講師による「仮設構造物設計の基礎」並びに「仮設構造物の設計事例と注意点」と題した講演でした。

講演概要は、平成26年度10月定例セミナーと同様ですので、そちらを御参照下さい。

城古講師-2

平成26年度2月定例セミナー(H27.2.21)

「『CIM』の現状と今後の展開に向けて」
(沖縄市産業交流センター・沖縄市)
講師:城古 雅典氏(前田建設工業(株))

2月21日(土)に沖縄市産業交流センターにて2月定例セミナーが開催され、午前・午後を通して前田建設工業(株)・土木学会国土基盤モデル小委員長の城古雅典講師による「『CIM』の現状と今後の展開に向けて」と題した講演でした。

270221会場

講演概要は、1.概要説明、2.CIMの動向、3.計画・設計事例と施工への連携、4.施工事例と維持管理への連携、5.海外の事例、6.地球観測衛星を利用した高さデータの活用、7.製図の歴史とCADの歴史、8.製造業のマネジメント、9.国土基盤モデル小委員会とは、10.SketchUpによる研究事例、11.マネジメントシステムの研究事例、12.総括及び質疑応答、といった項目について詳しく解説して頂きました。

酒井講師-2

平成26年度3月特別セミナー(H27.3.6)

「補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアルの改訂」&「仮設工事はどのように決めるのでしょうか?」
(沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:酒井 茂賀氏(JFE商事テールワン(株))&堀田 孝氏(前田建設工業(株))

270306会場

3月6日(金)に沖縄県総合福祉センターにて3月特別セミナーが開催され、午前の部はJFE商事テールワン(株)の酒井茂賀講師による「補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアルの改訂」と題した講演でした。

講演概要は、1.改訂の概要、2.目的と構造、3.計画・調査、4.設計に当たっての一般事項、5.設計、6.施工、7.維持管理といった項目について、詳しく説明して頂きました。

堀田孝講師-2

午後の部は前田建設工業(株)の堀田孝講師による「仮設工事はどのように決めるのでしょうか?」と題した講演でした。

講演概要は、【仮設の疑問いろいろ】として、1.建設工事の標準的な届出、2.H型鋼はどう使うの?、3.現場の掘削方法・土留め工はどう決まるの?、4.現場のオープン掘削はどう決めるの?、5.現場の掘削方法はどう決めるの?、6.現場の山留壁体はどう決まるの?・・等について詳しく解説して頂きました。

平成26年度3月定例セミナー(H27.3.14)

「建設業の原価管理」&「ヒューマンエラーを考える」
(名護市労働福祉センター・名護市)
講師:前田 憲一氏((一社)建設情報化協議会)

前田講師-9

3月14日(土)に名護市労働福祉センターにて3月定例セミナーが開催され、午前の部は(一社)建設情報化協議会の前田憲一講師による「建設業の原価管理」と題した講演でした。

講演概要は、1.原価管理とは、2.原価低減活動とは、3.原価管理のポイント、4.原価管理の手順・・といった項目について、詳しい説明がありました。

270314会場

午後の部は同じく前田講師による「ヒューマンエラーを考える」と題した講演でした。

講演概要は、1.事故の原因、2.ハインリッヒの法則、3.ヒューマンエラーの原因分析、4.どのような場合に人間はミスするのか?、5.ヒューマンエラー抑止対策、6.失敗から学ぶ、7.マンガ建設看板の効果・・といった項目について詳しい解説がありました。