平成26年度4月特別セミナー(H26.4.4)

「施工計画書の重要性」
(沖縄市産業交流センター・沖縄市)
講師:吉田 信雄氏((一社)建設情報化協議会)

吉田講師4

平成26年度初めてとなる4月特別セミナーは、(一社)建設情報化協議会の吉田信雄さんを講師としてお迎えし、「施工計画書の重要性」と題した講演でした。
吉田さんは技術提案に関するの本を執筆されている有名な方で、建設業界においては、数多い会社の技術提案、工事成績などの指導をされています。
その影響からか、今日のセミナーでは多くの参加申込を頂き、110名程の出席者となりました。
沖縄では、わがNPO法人グリーンアースの技術顧問も務めて頂いております。

1.工事成績評定点アップのための施工計画の基本
⑴工事成績評定と施工計画
工事成績評定に、「施工計画と現場の施工が一致しているか」という点が随所に出てくることに対し、これは、発注者が施工計画について注目しているということを指摘されました。
受注した業者さんが初めに出す技術的書類は施工計画書です。その施工計画書の内容が、そのまま工事成績に繋がっていたことを、吉田さんのお話を聞きながら思い出しました。

つくる施工計画については、工事成績評定要領を満足すること。施工プロセスチェックリストを満足させる。という2つのことを鉄筋の保管方法を事例に挙げて説明されました。
施工プロセスチェックリストを常に確認しつつ、主任監督員が来られた時にレ点をもらえるように備えることが大切だとのことです。
参考資料として、「監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係」を紹介して頂きました。特に、施工プロセス検査(実施状況)チェックシート、施工プロセス検査(品質)チェックシートなどをダウンロードして活用することを指導されました。

次に、創意工夫についての説明がありました。その際、施工計画に記載する各項目については、「施工計画書に一覧表で記載されていないと評価の対象にならない。」と言われました。最初から創意工夫を出せるとは限らないので、変更施工計画書を作成する段階などで、加えていけばよいとの指摘もありました。又創意工夫は、「全国建設業協会」の創意工夫例を活用する方法についても紹介がありました。ここには非常にたくさんの創意工夫が記載されているとのことです。

⑵施工計画書
共通仕様書第1篇1-1-4より、「施工計画書は、・・・当該工事専用施工マニュアルである。・・・」とあります。
発注者としても、工事過程で監督責務として施工者の工程・施工方法・施工管理・安全管理について、現地との相違等を確認することが大切である。ということを強調されていました。

品質管理については、評価点が大きいため細かく説明されました。特に、品質管理図においては、測定数が10点未満の場合は作成不要とあるが、これを鵜呑みにすると、評価点につながっていかないことを強調されていました。そして、工夫しながら測定数を10点以上にして管理することが大切だととの指摘もありました。
又管理図を描かないと検査官が評価できないため、点数が下がることを強調され、規格値が80%以内であれば、ばらつきは50%以内だと判断されるため、社内規格値を80%に定めればよいとも言われました。

2.工事成績評定の仕組みの理解
工事成績評定書の主任技術評価官、総括技術評価官、検査官の各持ち点と、点数の付け方を細かく事例を挙げて説明されました。更に発注者が作成された評定点換算表の紹介があり、どの評価官がどの評価をしたのかを突き止める方法を解説して頂きました。これがあれば、いろいろな分析ができ、次の工事に応用も可能となります

3.コミュニケーション(技術者の対話力)
⑴コミュニケーションの基本
信頼関係の構築は良い構造物を共同作業で作るということや、口下手でも誠意を示すことの重要性をお話されました。
コミュニケーションが良好ならば様々な評価に波及するということについて、配置技術者、対外関係、地域への貢献などの項目を挙げて説明されました。

⑵コミュニケーションの構成
コミュニケーションの手段として、顔を合わせる⇒手紙・FAX⇒電話⇒メールというランクになることを説明され、フェイストウフェイスが最も重要であることを解説されました。
コミュニケーションの能力としては、①「聞く」力、②「話す」力、③「伝え合う」力が求められるとのお話がありました。

⑶コミュニケーションの目的と機能
コミュニケーションの注意点として、伝達のゆがみ、言葉の奥には「心」があるということだとお話され、円滑なコミュニケーションを阻むものとして、6例くらいをあげて説明されました。
又コミュニケーション能力の養成として、①相手に質問する練習、②相手に反論せず肯定で答える練習、③相手が何を言い出しても肯定的に応答し会話をつづける練習、④相手と適度な頻度でアイコンタクトする練習、⑤うなづいてメモを取るなどのボディーランゲージの練習などを挙げられました。

⑷受注を左右する対話力
総合評価落札方式におけるヒヤリング、工事成績評定点につながるコミュニケーションの方法に事例を加えて説明されました。

⑸実録!施工における事例集
後半で、事例を紹介して頂けるとのことでした。

⑹発注者との付き合い方
発注者との付き合い方、ある現場代理人の心がけ、自分から相手を好きになる、相手の求めているものは何か?コミュニケーション能力の大切さ、コミュニケーションの苦手な人施工者側で行った「工事成績評定点アップ」の施策、発注者の心配事を取り除き課題を徹底的につぶす等について、事例を挙げながら説明して頂きました。

260404会場

5.総合評価落札方式における施工計画
ネットワーク工程表を引く前に、作業可能日数の算定、作業不可能日数の推定方法、機械施工の日程計画、工種作業別工程一覧表等を紹介し説明されました。
次に、工程表管理の課題に対する記述方法、①順番や調整点、②マイルストーンの調査と記述、③作業に必要時間、④クリティカルパスを抑える、⑤工期短縮の観点からの工夫についての説明がありました。
ここで強調されて言われたのが、「工程表の作成は誰がやっているか?現場代理人の重要業務であり実行予算の元となる、機械編成・作業員の人数班編成・歩掛りなどを考えながら作成していくので、実行予算の元が頭の中に描かれる。問題点も、頭の中に浮かび、その後の再検討の項目になる。」ということでした。

続いて、エクセルでも書けるということで、ネットワーク工程表の書き方を詳しく説明して頂きました。
注意点として、①工事(土工事、軟弱地盤処理工事など)ではなくて、その下の工種(数量のあるもの)、②一点から始まって一点で終わる。③始まりも終わりも、必ずどこかに関連付けて尻切れにしない。という点を強調されて解説されました。
一通り、ネットワーク工程表の作成方法を話された後、フォローアップについて事例を用いての説明がありました。
又ネットワーク工程表を用いることにより、発注者とのコミュニケーションツールとなることを、工事成績評定票の中の主任技術評価官、総括技術評価官の項目を挙げて解説して頂きました。
フォローアップ状況、他工事との調整、地元とのコミュニケーション、関係機関との調整などが発注者に対し説明しやすくなるとのお話もありました。

総合評価落札方式については、最近の評価例を挙げて説召されました。東北地整の2段階評価において、技術者の評価が営業であり仕事を取るためには、工事を落札したらとにかく工事成績を上げることが重要な使命になっていることを説明されました。
そのあと、技術提案について、①標準類の準備、②入札説明書の熟読の具体的な方法、③ワークシート(CIC推奨)による提案項目の抽出、DB(NETIS技術・創意工夫・安全技術)の紹介、⑤記述の形式(5項目による記述)、「あいまい表現」のチェック、⑦成果品全体をチェックリストによるチェック!、⑧添削事例についての説明がありました。

長時間に及ぶセミナーでしたが、受講者の皆さんには非常に有益な内容であったと思います。

平成26年度4月定例セミナー(H26.4.19)

「総合評価方式の現状の課題と今後について」&「亜熱帯島嶼気候におけるコンクリート構造物の劣化特性および劣化防止対策」
(沖縄産業支援センター・那覇市)
講師:小林 康昭氏((一社)全国土木施工管理技士会連合会会長)&金田 一男氏((株)ホープ設計構造部長)

小林講師2

4月定例セミナー午前の部は、CPDSの認定機関である全国土木施工管理技士会連合会(JCM)会長である小林康昭先生をお迎えし、「総合評価方式の現状の課題と今後について」と題した講演をして頂きました。

自己紹介では、先生の豊富な経験を伺わせるようなお話があり、建設会社に勤められていた時には海外生活が長く、その後は足利工業大学の教授を務められたそうです。
沖縄にも御縁があり、石川火力発電所を造る頃には沖縄で3週間ほど仕事をされ、本土復帰当日(S47.5.15)は沖縄で仕事をしていたことも付け加えてお話されました。

1.総合評価落札方式の改善(二極化)の状況と今後の方向性
はじめに、ホワイトボードに向かわれて、次のことを書かれました。
○従来にくらべて効果や利益が向上するのか?
○一番札より高額な落札に説得力があるのか?
○技術点が高止まりして、評価機能が麻痺しないか?
○過剰品質の提示で自縄自縛に陥らないか?

国交省において今年の3月11日に委員会で話し合った資料である「総合評価落札方式の改善(二極化)の状況と今後の方向性」を基にお話をされました。この総合評価に関する委員会には、先生も当初から関わられているそうです。
総合評価落札方式の本来の目的からかい離してきていることが課題となってきているために、再度見直すことになったとのお話がありました。

改善の方針として
①施工能力の評価と技術提案の評価の二極化
②施工能力の評価は大幅に簡素化
③技術提案の評価は品質の向上が図られることを重視
④評価項目は原則、品質確保・品質向上の観点に特化
について、詳しい説明がありました。

次に、関東地整における施工計画の審査基準について説明された。
【不可となる基準】
①「1)着眼点と着眼理由」、「2)着眼点に対応した施工方法」のそれぞれの関係が適切でない場合 ※「品質管理」の課題に対する着眼点を「安全管理」としている場合等は不適切と判断
②本工事の内容と無関係である場合
③関係法令に違反するもの
④基準や指針と不整合な記載である場合
⑤施工に対する安全性への配慮に欠けるもの
⑥その他、適切な履行がなされない恐れがある場合
それぞれについて、具体例を挙げて説明されました。

課題①:施工能力評価型では、発注者の2割が「特定の企業への受注の偏り」を懸念していることについて、事例等を挙げて説明されました。特に表彰の問題が大きいようであるとのことでした。
課題②:特定の企業への受注の偏り、企業の新規参入の阻害

論点:特定の企業への受注偏り、企業の新規参入の阻害は発生しているのか?
論点:企業の新規参入の阻害に対する有効な対応策は?
の2点について、関東地整の試行を基に解説して頂きました。

「技術提案チャレンジ型総合評価落札方式」・・・新規参入の会社のために
「自治体実績評価型総合評価方式」・・・国発注工事への参入を促す
についての解説がありました。

2604019会場

2.今後の総合評価落札方式のあり方
まず、これまでの総合評価落札方式について、その目的が果たされてきたかどうかを検証しながら、これまでの流れについて説明されました。
又、直轄工事においては工事成績が徐々にアップし、平均2.8点増加しているとの解説がありました。

落札者のうち、技術評価点の最高得点者の占める割合は増加傾向にあり、これは狙い通りになってきているとのお話でした。
一方、最低価格者の占める割合は減少傾向にある。という2つの点で理想的な方向に向かっているとのことでした。

しかしながら、地方の自治体の総合評価落札方式の浸透率が低いことを、工事成績評定要領の策定や工事成績データベースの整備などいろいろな事情を含めて説明されました。

最後に、アンケートおよびヒヤリングによるフォローアップ調査結果についての説明がありました。
①簡素化・・・業者側は、可と不可では、提出したことが報われない。
②特定の企業への偏り・・・業者側は、受注実績の少ない中小業者にとって、表彰の加点が大きく評価されるのは残念である。
③より同種性の評価・・・施工数量の要求では意味がない。実績がないと受注できないのは大手に有利となる。
④段階選抜方式・・・適応する配置技術者のない企業は振り落され、大手に有利となる。

今年の3月に開かれた国交省の委員会において、実際に委員会に参加した委員として、HP上で配布されている資料の内容をより詳しく説明していただいたことは、参加された皆さんにとって今後の受注へ向けての大いに参考になったことと思います。

金田講師3

午後の部は、(株)ホープ設計構造部長である金田一男講師による「亜熱帯島嶼気候におけるコンクリート構造物の劣化特性およびその劣化防止対策」と題した講演でした。

第1部 沖縄の気候及びコンクリート構造物の劣化特性
1.亜熱帯島嶼気候の特性
気温20℃および湿度70%以上の気象条件が鉄筋腐食の環境といわれているが、沖縄は8か月その範囲に入るということを言われました。ただ単に、塩害環境下にあるというわけではないのだと感じました。あと紫外線の強さという点ではどうなのだろうかと思いました。
次に、塩害環境下にあることについて、図や表を用いてわかりやすく説明されました。

2.材料の特性
①コンクリートの構成材料、②コンクリートの構成材料の容積比、③セメント、④セメントの種類、⑤コンクリート混和剤、混和材、⑥特殊な混和材料、⑦骨材、⑧その他の材料について、図、写真、表を基に、わかりやすく説明されました。
又、コンクリートの性質として、フレッシュコンクリート、スランプ試験、施工、硬化コンクリートの特性、圧縮試験等について、基本を確認するように説明されました。

3.コンクリート構造物の劣化特性
劣化の様子を写真を用いて説明されました。土木においては、RC梁の塩害、防波堤のアルカリシリカ反応、建築構造物においては、塩害によるベランダのはく離などの紹介がありました。

3.2 コンクリートの劣化要因ということで、中性化、塩害、アルカリシリカ反応、床版の疲労、梁部の疲労、すり減りについて、表を用いて説明されました。

3.3 劣化のうち鉄筋腐食を伴うものとして、中性化、塩害、アルカリシリカ反応の3つについて、その状況や発生原因、試験方法などを詳しく説明されました。
特に塩害については、沖縄でコンクリート工事を営む技術者にとっては、知っておくべき事項を詳しく解説して頂きました。

260419会場-3

第2部 劣化防止対策
1.コンクリート構造物の維持管理
社会資本整備の状況として、供用年数50年を超えてくる構造物が急激に増えてきていることを、表を用いて説明されました。
次に維持管理基準について、基準書の紹介、基準類の変遷の紹介をして頂きました。

構造物の維持管理の手順、点検・調査の概要を説明されたのちに、点検方法として、橋梁を例に紹介されました。橋梁点検車、地上点検、リフト車、船舶などの写真を見ながらの解説があり、その点検結果を受けて、さらに詳細に劣化の原因や劣化の進行を予測するための詳細試験の種類についても説明して頂きました。
目視点検、強度試験、硬化コンクリートの塩分量試験、アルカリシリカ反応試験、斫り試験による鉄筋の腐食度判定等については、写真や図を用いてわかりやすく、先生の体験も加味しながら説明されました。

2.コンクリート構造物の性能評価
性能判定ということで、潜伏期、進展期、加速期、劣化期の4つの過程について、図表を用いて説明されました。
次に、ひび割れのパターンとして、図を用いての紹介があり、さらに、ひび割れの分類・発生原因について、材料、施工、使用環境、構造外力に分類して説明されました。

3.コンクリート構造物の補修・補強
最初に、補修・補強工法の選定方法と、塩害における標準的な工法について紹介されました。
補修工法の概要として、表を用いて紹介されたのち、ひび割れ補修工法、電気化学的防食工を取り上げて説明されました。
ひび割れ補修工法としては、表面塗布工法、注入工法、充填工法、その他の工法等、おのおのの図表を用いての紹介がありました。

次に、断面修復工法や表面処理工法についても、図表を基に説明がありました。
又、電気化学的防食工法の施工の流れをフロー図に似て説明したのち、そのメカニズムについて、腐食電流を犠牲電流を流すことにより打ち消すことを図も用いて説明されました。

補強工法についても、工法の概要を紹介され、先生が経験された水中部RC橋脚の鋼板巻き立て補強について、写真や図を用いての説明がありました。
次に、1度補修したコンクリートが再度劣化した状況を、先生の業務における体験例を用いて紹介して頂きました。

4.耐久性の良いコンクリートをどう造るのか?
施工品質を向上させるために、気泡防止として、NETIS登録されたピカコンの紹介がありました。
また、炭素繊維補強コンクリートによる複数ひび割れの一例を紹介して頂きました。次に、長寿命コンクリートEIENの紹介、超高強度プレキャストコンクリートの応用例、塩害地の塗装鉄筋、コンクリートのかぶりの確保、犠牲陽極の使用、コンクリート構造物の劣化調査、RC巻き立て、柱列式擁壁の施工の盲点などを先生の業務を通した経験を基に紹介して頂きました。

できるだけ基礎的でわかりやすさを目的とされたセミナーだったと思います。コンクリートは、これからも公共工事を支える資材であることを再認識し、長期間使うためのメンテナンスを学ぶために、とても良いセミナーだったと感じます。

平成26年度5月特別(1)セミナー(H26.5.9)

「コンクリート構造物の耐久性」&「コンクリート構造物の耐久性向上」
(名護市労働福祉センター・名護市)
講師:篠田 佳男氏(日本コンクリート技術(株))

篠田講師3

昨年の篠田先生のセミナーが実に好評で、今年も同じ時期に講師を依頼しました

※コンクリートは耐久性に優れている
近代セメントは、1875年に我が国で製造を開始したそうです。そのなかで、小樽築港北防波堤、三井物産横浜支店1号館、内房線山生橋梁などいまだに100年を超える構造物が残っていることを紹介されました。

しかし、そんな中コンクリート構造物の信頼低下が、近年言われてきているとのことです。1983年NHKが放送したコンクリートクライシスでは、塩害とアルカリシリカ反応が紹介され、その後の阪神淡路地震による構造物の被害や1999年のトンネルからのコンクリート片の剥落などについて説明されました。

これらを受けて今後は維持管理の時代になり、コンクリート診断士が重用されてくることを話されました。
(1)コンクリート診断士
1)コンクリート診断士の概要
4択問題は、正解率75%以上の正解、記述式問題A(診断士としての資質)、問題B(診断士としての実務能力)原稿用紙マス目80%以上埋めること。など試験について紹介されました。10年前にくらべてかなり内容的にも難しくなっているようです。
そのあと、4択の対策についての解説がありました。
初期欠陥(加水等によるコンクリート強度不足、コールドジョイント、打ち継ぎ目不良、ジャンカ(豆板)、鉄筋の被り不足等)について、写真を見せながら解説して頂きました。

2)劣化機構
中性化、鉄筋腐食(塩害)、アルカリシリカ反応、凍害、化学的腐食、疲労、溶出、摩耗、火災、について、概要、背景、発生要因などについて説明されました。

3)調査手法
書類調査(設計図書、維持管理記録)、外観調査(目視・打音検査)、非破壊・微破壊調査(コンクリートの圧縮試験、サーモグラフィー、弾性波、AE、電磁波レーダー、電磁誘導、X線、中性化試験、塩化物イオン含有量、自然電位測定、コンクリートの配合推定、走査型電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザー、アルカリシリカ反応)について、写真や図を用いて丁寧に説明されました。

4)判定基準
評価Ⅰ、評価Ⅱ、評価Ⅲについての棲み分けを説明され、特に評価Ⅲについては、コンクリート診断士の技術が必要だということを説明されました。その後、評価Ⅰの評価方法を紹介して頂きました。

5)補修・補強
補修工法の定義を説明され、主な補修工法として、ひび割れ補修工法、断面修復工法、表面被覆工法、含浸材塗布工法、はく落防止工法、電気化学的補修工法(電気防食工法、脱塩工法、再アルカリ化工法、電着工法)について詳細に説明されました。
つぎに、補修・補強材料として、セメント系材料、高分子系材料、繊維系材料、金属系材料などの紹介がありました。
補強工法の定義を説明され、主な補強工法として、増し厚工法、巻き立て工法、外ケーブル工法、接着工法などを紹介して頂きました。

260509会場

2.コンクリートの耐久性向上技術
(1)温度ひび割れ制御技術
温度ひび割れの発生原因として、特に外部拘束型について、貫通ひび割れを伴うものであるので注意が必要だと述べられました。

1)マスコンクリートについて
2012年制定 コンクリート標準示方書の設計編:本編12章・標準6編、施工編:施工標準14章 等を抜粋し、初期ひび割れに対する照査、セメントの水和に起因するひび割れ照査、ひび割れ幅に対する照査(鉄筋コンクリートの場合発生限界値は、0.005c)、ひび割れ発生に対する照査などを紹介し説明されました。
つぎに、温度応力解析事例の紹介がありました。

2)温度ひび割れ制御に関する取り組み
ここでは、篠田先生が中心となって、先生の会社である「日本コンクリート技術株式会社」で開発した次の工法を紹介し、説明されました。

①ND-WALL工法
工法の概要、性能確認試験の様子、33件の施工実績、その施工実績の中から国交省北海道開発局で施工したボックスカルバートや北陸地整の橋台への適用例を紹介されました。

②NDリターダー工法
次に、ND-WALL工法の進化系ということで、NDリターダー工法の紹介がありました。
性能の確認試験例、実施工への適用として、東北地整や北陸地整での函渠工を紹介して頂きました。

3)ステンレス鉄筋を使用した新たな技術
篠田先生が、その作成に加わっているステンレス鉄筋の用途拡大についていろいろ紹介して頂きました。この事例によると、ステンレス鉄筋を使用することにより、メンテナンスフリー化が実現するとまとめられました。
ステンレス鉄筋により、鉄筋コンクリート構造の高耐久化と薄肉軽量化の実現についても紹介がありました。

3)SDPフォーム(NETIS TH-120024-A)
高耐久性埋設型枠として、SDPフォームを紹介されました。北海道縦貫自動車道の事例、東京ゲートブリッジなどの施工実績の紹介があり、さらに実用化への取り組みが、プロジェクトXのように感動的に紹介されました。

4)フィニッシュコート
作業効率向上のための均し・仕上げ補助剤として、フィニッシュコートを紹介して頂きました。

最後に、先生のかかわった世界最大のダムである中国の三峡ダムでの施工の様子を写真で紹介して頂きました。

コンクリートは、土木、建築技術者にとって常に使い続けている材料ではあるが、あまりにも身近にあるため、当たり前のように使ってきたが、技術の進歩は目覚ましいことを改め知ったセミナーだったと思います。
篠田先生ありがとうございました。

平成26年度5月特別(2)セミナー(H26.5.10)

「コンクリート診断士取得に向けて」
(沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:篠田 佳男氏(日本コンクリート技術(株))

篠田講師4

昨日に続き、篠田先生に講師を務めて頂き、本日は、コンクリート診断士取得について講習して頂きました。

第1部:4択問題
⑴背景とコンクリート診断士
ストック型から環境負荷低減型社会へとして、今ある構造物をいかに延命化するかということが課題になっていることを説明されました。そこで、コンクリート診断士が必要な資格として出てきたとの解説がありました。

1)4択問題
4択問題は、正解率75%以上の正解、記述式問題A(診断士としての資質)、問題B(診断士としての実務能力)原稿用紙マス目80%以上埋めること、大きな文字で丁寧に読みやすく、記述式のウエートが高いことなど試験について紹介されました。

そのあと、4択の対策について解説されました。
初期欠陥(加水等によるコンクリート強度不足、コールドジョイント、打ち継ぎ目不良、ジャンカ(豆板)、鉄筋の被り不足等)について、写真を見せながらの解説がありました。
ひび割れとして、鉄筋腐食先行型、ひび割れ先行型、劣化ひび割れについて解説して頂き、またひび割れ図を用いて、ひび割れの種類とその原因を説明されました。

2)劣化機構
中性化、鉄筋腐食(塩害・中性化)、アルカリシリカ反応、凍害、化学的腐食、疲労、溶出、摩耗、火災、について、概要、背景、発生要因などについて説明されました。

3)調査手法
調査の概要として、人間と構造物を比較して表現されている表を見せていただいた点は印象的でした。
書類調査(設計図書、維持管理記録)、外観調査(目視・打音検査)、非破壊・微破壊調査(コンクリートの圧縮試験、サーモグラフィー、弾性波、AE、電磁波レーダー、電磁誘導、X線、中性化試験、塩化物イオン含有量、自然電位測定、コンクリートの配合推定、走査型電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザー、アルカリシリカ反応)について、写真や図を用いて丁寧に説明されました。

4)判定基準
評価Ⅰ、評価Ⅱ、評価Ⅲについての棲み分けを説明され、特に評価Ⅲについては、コンクリート診断士の技術が必要だということを説明された後、評価Ⅰの評価方法を紹介して頂きました。

5)補修・補強
補修工法の定義を説明され、主な補修工法として、ひび割れ補修工法、断面修復工法、表面被覆工法、含浸材塗布工法、はく落防止工法、電気化学的補修工法(電気防食工法、脱塩工法、再アルカリ化工法、電着工法)について詳細に解説して頂きました。

つぎに、補修・補強材料として、セメント系材料、高分子系材料、繊維系材料、金属系材料などの紹介がありました。
補強工法の定義を説明され、主な補強工法として、増し厚工法、巻き立て工法、外ケーブル工法、接着工法などを紹介して頂きました。

260510会場

第2部:計算、記述式問題
[計算問題]
1.中性化深さの推定
√t則を活用した中性化深さの計算問題2例をわかりやすく解説して頂きました。

2.累積疲労損傷度の推定
鉄筋コンクリート梁の鉄筋疲労度の問題で、鉄筋の累積疲労損傷度について解答する等の問題を3例あげて、解説しながら解答して頂きました。

3.塩化物イオン拡散の推定
塩化物イオンの拡散式を用いて、経過年数を解答する問題や拡散方程式の解を探す問題がだされ、それについて解説しながら解答されました。

[記述式問題対策]
※文章力を向上させるには、文章を手書きして何度も書き直し、推敲模範解答を作成し繰り返し読み返す。構成:背景、現状の把握、劣化原因、対策等の並びとなるとの解説がありました。

※本番での心構えとして、問題をよく読み重要部分にアンダーライン、関係するキーワードを書き出す。キーワード集をまとめて繰り返し読み直す。等の注意点を述べられました。

⑴記述式A問題対策
記述式A問題を、2009年から2013年までを紹介して頂きました。
その中から、2011年の問題に対し、キーワード及び構成として、コンクリート構造物の変遷を紹介された後に、問1、問2に対する模範解答例を示し解説されました。

さらに、2012年度の記述式A問題に対しても、キーワード及び解答例を示し解説されました。
又、篠田先生の予想する2013年講習予想問題を挙げて、キーワード及び解答例を示し解説して頂きました。

記述式対策として、4択40問の時間配分を考え、記述式の問題文に目を通したうえで4択問題を解答することを強調して説明されました。
2014年度のキーワードとしては、自然災害、建設、少子高齢化などについての紹介がありました。
道路の老朽化対策の本格的実施の提言(2014年4月)が、今回のA問題に役に立つだろうということで紹介して頂きました。

⑵記述式B問題 実施対策
解答作成テクニックということで、①問題から文章を作成する、②記述式問題への対応は柔軟にということを説明されました。
v過去の記述式B問題を紹介し、問題の傾向を解説して頂きました。

2010年度記述式B問題を例に、キーワードの抽出、表より得られる情報の抽出の後、模範解答例を示し解説されました。
次に、2011年度記述式B問題を取り上げて、キーワードの抽出、表より得られる情報の抽出の後、模範解答例を示し解説して頂きました。

本日は、これからコンクリート診断士を取得しようとしている方々にとっては、非常に有意義なセミナーになったと思います。10年前の問題と比較してかなり問題が難しくなっており、コンクリート診断技術の進化を感じました。

ただ、資格を取得しただけではだめで、取得後さらに学び続け現在の技術に追い付いていけるようにしていくことは、すでにコンクリート診断士を取得した者にとっても使命だと感じました。その点からも、かなり有意義なセミナーでした。

篠田先生、2日間にわたる長時間のセミナーありがとうございました。お疲れ様でした。

平成26年度5月石垣・宮古セミナー(H26.5.19-5.20)

「3.11大震災から学ぶ「地盤改良技術の最近の動向と復興に向けた教訓と技術者倫理」
(建設業協会八重山支部:石垣市、建設業協会宮古支部:宮古島市)
講師:熊谷 浩二氏(八戸工業大学教授)

今回の石垣・宮古セミナーは、八戸工業大学教授の熊谷浩二先生による、「3.11大震災から学ぶ「地盤改良技術の最近の動向と復興に向けた教訓と技術者倫理」と題した講演でした。

260519会場  熊谷講師3

講義内容は、昨年11月に開催されました「11月定例セミナー」と同様ですので、そちらをご参照下さい。

平成26年度5月定例セミナー(H26.5.24)

「降雨に伴う斜面の不安定化の定量的評価法」
(沖縄市農民研修センター・沖縄市)
講師:北村 良介氏(鹿児島大学名誉教授)

北村講師

5月定例セミナーは鹿児島大学の北村良介名誉教授を講師にお迎えして、「降雨に伴う斜面の定量的評価法」と題した講演でした。

はじめに、不飽和土の力学特性として土の相構成図や、体積-質量関係の解説があり、続いて不飽和土に固有な物理量:サクションや浸透圧に関する説明をして頂きました。具体的な例としては海水から真水を取り出す逆浸透法や、ベントナイトを用いた止水工事などの紹介がありました。

又マトリックサクションや曲率と圧力、メニスカスによる間隙空気圧等についての計算式の解説があり、間隙水圧の現地計測システムの概要の説明をして頂きました。かなり難しい内容で受講者の方からも難しいとの声が聞かれました。

その他に、不飽和・飽和浸透の支配方程式や、間隙水圧水頭分布・水浸沈下・スレーキング・見かけの粘着力度・斜面安定解析等の解説があり、古墳への応用例の紹介もして頂きました。

260524会場

今後の開発が進められる地圏シミュレータの解説では、地形・地質条件や今後想定される気象条件入力によって、各対策のシミュレーションを行い、最適な対策を選定するための具体的な手法やシステム等の紹介があり、大変興味あるお話だったと思います。

最後に、北村先生の環境倫理学(地球規模での環境破壊を克復するための哲学的な基盤の確立をめざす考え方)の紹介がありました。
①人間だけでなく他の生物種や生態系にも生存の権利がある(自然の生存権)。
②今の世代は将来の世代の生存可能性に責任をもつ(世代間倫理)。
③地球の生態系は有限な閉じた世界である(地球の有限性)。

全体を通してかなり難しい講義であったと思いますが、建設コンサルタントの方や不飽和土解析に興味のある方にとっては、非常に有益な内容であったと思います。

平成26年度6月特別(1)(2)(3)セミナー(H26.6.2-6.4)

「3D-CAD」
(名護市北部会館・名護市、沖縄市産業交流センター・沖縄市、沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:後藤 文昭氏(アルス北海道)

後藤講師3

6月特別(1)(2)(3)セミナーは、昨年の2月及び8月に続きアルス北海道の後藤文昭代表にお越し頂き、「3D-CAD」の実習セミナーを開催しました。

はじめに、後藤先生からCIM(Construction Information Modeling)に関する現状と将来の解説があり、国交省が積極的に推進している3D化の状況や将来展望を知ることが出来ました。

続いて配布された3D-CAD講習会データをパソコンにコピーした後、3DソフトSketchUpを使った実習の講義が始まりました。

まずは基本的なコマンドである「選択」や「ペイント」・「線引き」・「プッシュプル」・「移動」・「回転」等の基本的な使い方を学び、先生が用意したサンプル図形を使って実際に3D図面を操作する練習を行いました。

その中で非常に簡単に3D図形が操作出来ることに対し、受講者の皆さんがとても驚いていたように感じました。又操作が上手く出来ない方に対しては、後藤先生及びグリーンアーススタッフによって丁寧に対応させて頂きました。

次に、図形の大きさを変化させる「尺度」や、選択した線に沿って面を押し出す「フォローミー」・寸法を測る「メジャー」等の操作をサンプル図形を使って練習し、昼休みとなりました。

260604会場

午後からは、実際に橋脚の2D図面をインポートしたSketchUp図面を基にして、「回転」や「プッシュプル」等を使った橋脚構造図の3D化実演でした。

まず、橋脚2D構造図の平面図・正面図・断面図を各レイヤーに分けてグループ化し、正面図・断面図を垂直になるよう回転して、更に断面図を90度回転させて、平面図の柱位置に合わせる作業をしました。

この中で、回転の操作に戸惑う方も多く居ましたが、先生のアドバイスによって多くの受講者が慣れていって頂いたように感じました。

続いて、「プッシュプル」を使ってフーチングを立体化したり、「円弧」や「コンポーネント」・「コピー(移動)」等を使った杭の3D化作業、そして更に「プッシュプル」を使った柱の立体化と、「ペイント」によるコンクリートフォームの模様塗り作業等を通して、橋脚が3D化していく操作を体験し、SketchUpの使いやすさを実感することが出来ました。

最後に、後藤先生が作成された重機等のコンポーネントの使い方や、足場等の配置方法の解説があり、講義は修了しました。

たった1日間という短いセミナーでしたが、非常に濃い内容であり、受講者の皆さんからも、又次回開催して欲しいとの声も多く聞かれた有意義なセミナーだったと思います。

後藤先生、遠いところをはるばるお越し頂き、本当に有難うございました。

平成26年度6月定例セミナー(H26.6.14)

「公共工事品質確保の取組みとコミュニケーション」&「建設技術者のコミュニケーション」
(石川地域活性化センター舞天館・うるま市)
講師:松田 泰成氏((一社)沖縄しまたて協会)&親泊 元彦氏(経営支援研究所所長)

松田講師3

6月定例セミナーの午前の部は、(一社)沖縄しまたて協会の松田泰成副参事による「公共工事品質確保の取組みとコミュニケーション」と題した講演でした。
最初に松田先生から、改正労働安全衛生法が成立しメンタルヘルスの強化が義務付けされたことの紹介がありました。ほとんど身体に関することが主体であった安衛法が、メンタルヘルスについて取り組み出したことは、ある意味遅かったのかもしれないが、産業界にとっては大きく前進していくきっかけを与えるものになったと思います。

1.公共工事の品質確保に向けた施工管理体制の検討
公共工事への要求事項の変化等(品質の優れた社会資本調達への高まり、発注者の役割の変化、インハウスエンジニアの減少)などにより、発注者の検査業務の変更が検討されていることの説明がありました。

「施工プロセスを通じた検査」の試行においては、品質検査の体制確保並びに実施方法における負担増が課題となり、又品質検査の臨場回数がかなり増え、ほとんど係りっきりになってしまうとのことです。

2.第三者の導入による検査体制の強化
検査体制方法として、①発注者の検査の権限を相当程度委譲した第三者による検査の導入、②施工者と契約した第三者による品質証明の導入を検討し、試行に入ってきていることを説明されました。
続いて、品質確保のための体制と業務内容についての解説がありました。

3.施工者と契約した第三者による品質証明業務運用ガイドライン(案)
目的、品質証明業務の概要、期待する効果、品質証明者の選定、品質証明業務の内容、作成・提出する書類・時期について、先生ご自身の体験を基に説明されました。現場が動いているとかなりの頻度で立ち会わないといけなくなり、そうなると土曜日もほとんど現場にいたことを話されました。

ほとんど不適合が現場に残ることはなく、施工中にミスの芽をつぶしていけることは非常に良いことではあるが、請負者との信頼関係についてはどうなのだろうかということを言われていました。
又工事検査においても品質証明会社の資料により、ほとんどが対応できることになるそうですが、どこで評価点の異なりが出るのだろうかとの疑問も感じました。
既済部分検査については、品質証明者が作成した品質証明チェックシートに基づいてほとんど行われるので、簡素化が図れることの説明がありました。

かぶりについては、道路橋示方書に記載されている塩害対策区分が最小かぶり厚になるのであるから、図面に表示されている純かぶり厚ではないことを話されました。
又、かぶり・空気量・場所打ち杭などについて、先生が作成したものを事例として紹介して頂きました。

北丘高架橋現場で新たに取り組んだ事例として、コンクリート保水養生テープの使用についての説明があり、4週経っても90%以上の湿潤状態が確保できた創意工夫について紹介して頂きました。
又3D- CADを現場管理に有効活用した事例では、配筋干渉チェックの3D動画を紹介して頂きました(NPO法人グリーンアース作成)。鉄筋組立の前に、鉄筋が上手く組めるかどうか確認ができることが一目で理解出来ます。これからはCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の時代となり、3次元でのCADの有効活用が進んでいくものと思います。
松田先生からは、発注者は鉄筋を組み立てている様子がよくわからないため、設計変更に対する調整が困難化することがあり、それを解消するにも3D-CADは抜群に良いと絶賛されました。

4.沖縄総合事務局における港湾・空港工事に関する入札・契約の概要
⑴「競争参加資格確認申請書」の様式についての注意事項
作成要領や施工上の配慮事項、技術提案について説明して頂きました。

⑵健康保険証等の添付時の留意事項
これまでに問題となっているのは、その本人が本当に3か月前から会社に所属しているかということなので、それが分かるるようにすることが大事だと強調されました。

⑶競争参加資格の欠格事例
表を紹介して解説して頂きました。

⑷総合評価落札方式の無評価事例
企業の実績、技術者の施工経験、近隣地域の施工実績などについての無評価事項について、これまでの経験を含めて説明されました。

⑸低入札調査基準価格の算出について
HP上に発表されている算定方法を用いて説明して頂きました。

260614会場

5.コミュニケーションについて
※誰も聞かなければ、音はない
※無人の山中で木が倒れたとき、音はするか
※コミュニケーションを成立させるものは、受け手である。
※聞く者がいなけれが、コミュニケーションは成立しない。

「大工と話すときは、大工の言葉を使わなければならない」
「受け手が期待していないものは受け付けられもしない」
「コミュニケーションは常に、受け手に対し何かを要求する」
「コミュニケーションと情報は別物である」
「上から下へ、下から上」
「価値あるコミュニケーション」

○発し手と受け手の知覚の仕方の違いを明らかにする。
○同じ事実を違ったように見ていることをお互いに知ることが価値あるコミュニケーション
○コミュニケーションを成立させるには経験の共有が不可欠
「公共工事におけるコミュニケーション」
○発注者は、常に現場の状況を知りたい
○「こんなものは報告しないでいい」と現場で買ってに判断しない
○報告の形式にこだわらない
○なんでもタイムリーな報告が大事
○報告を怠ると工事ストップまたは、指名停止もありうる。
○第三者への配慮が相手に伝わっているか

などについて、事例を挙げながら丁寧に説明して頂きました。

国土交通省の施工管理についてのこれからの取り組み、管理体制などについて情報を得ることができ、工事の受注⇒施工⇒工事成績⇒入札参加⇒受注と、常にスパイラル上に繋がっていくことを、改めて理解できました。
また、発注者、施工者、住民と3方におけるコミュニケーションの取り方の重要性を、深く理解することができました。
松田先生、どうもありがとうございました。

親泊講師2

午後の部は、経営支援研究所の親泊元彦所長による「建設技術者のコミュニケーション」と題した講演でした。

最初にフィードバックペーパーという用紙に、受講者の皆さんが今回のセミナーを受講したきっかけ(動機)を書いて下さいとのお話があり、受講者全員が記入した後、くじ引きによるグループ分け(11グループ)がありました。

そして、その中から3グループを選出し、3人の代表による受講の動機についての発表がありました。
結果は、ほとんどがCPDSの単位が欲しかったと、会社からの指示ということでした。

続いて、「コミュニケーションとは?」、「コミュニケーションの自己評価」についての説明があり、受講者の皆さんも自己評価について用紙に書き込みました。
又、「挨拶は○○○の基本!」という文章の○○○に入る言葉については、受講者からは「やる気」や「笑顔」という声があり、先生からは「すべて」というお話がありました。

次に、相対する2人による自己紹介の時間があり、全員が起立して相手に自分を紹介し、質問に対して答える形での2方向のコミュニケーションの時間がありました。
先生からは、自己紹介が上手な人は自社の紹介も上手なはずとのお話があり、改めて自己紹介の重要性を感じることが出来ました。
又、話し上手は聞き上手とのお言葉もありました。

260614-2会場

後半に入り、宇宙旅行ビジネスについてのビデオと、接客上手なお店紹介のビデオを見て感じたことを、3グループの代表が発表する時間があり、それぞれがグループ内で話し合ったことを発表されました。

又、ダイヤモンドシートと呼ばれる用紙に、受講者各自が感じる自分の長所を50個まで書いて下さいとのお話があり、それぞれが書き込んで数名による発表がありました。
先生からは、自分を褒めることができたら、他人も褒めることができるようになるとのお言葉がありました。

戦略的コミュニケーションについては、目的をはっきりし(ゴールの設定)、現状分析を行った後、そのギャップをどう戦略的に埋めるかが大事だとのお話がありました。

最後に、今日のセミナーを振り返っての感想を発表する時間がありました。
受講者の皆さんからは、「受講者参加型の楽しいセミナーだった。」、「少しはコミュニケーション力がアップしたかも。」、「やわらかい発想が大事だと感じた。」、「いろいろと考えさせられるセミナーで大変勉強になった。」、「地域の発信源は土木屋でもあり、地域密着型になっていきたい。」等の感想がありました。

これまでにはない形での受講者参加型セミナーでしたが、建設関係者にとっても今後重要となるコミュニケーション力を上達していく上で、大変勉強になるセミナーであったと思います。
親泊先生、お忙しい中ありがとうございました。

平成26年度6月特別(4)セミナー(H26.6.27)

「建設マネジメントへのマンガの活用」
(沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:庄司 卓郎氏(産業医科大学)&谷口 正晴氏(協和建設)

6月特別(4)セミナーは「建設マネジメントへのマンガの活用」と題した講演でした。
このセミナーにはQABや沖縄タイムス等のマスコミ取材もあり、次の日に報道されましたので、セミナー報告は沖縄タイムスの新聞記事の内容を紹介させて頂きます。

庄司講師2 谷口講師 260627会場

建設工事現場で事故を減らすため、絵とせりふで印象に残りやすい漫画を活用した危険予知の取り組みが始まっている。労働災害の専門家、建設会社、コンサルタント会社など、県内外のメンバーで構成する建設マネジメントマンガフォーラム(庄司卓郎会長)が工事現場での「マンガ安全建設看板」の普及を進め、県内でも採用の動きが出ている。現場内での事故防止に加え、周辺住民には漫画で工事内容を伝えることもでき、業界のイメージアップにつなげたい考えだ。

漫画の活用は、福岡県直方市の協和建設(谷口正晴社長)が考案。2001年、同社が国から受注した橋の建設工事で、下請け業者の作業員が転落死。遺族の悲しむ姿に、谷口社長は「効果的に注意喚起できる方法はないか」と考え続けた。次男の晋也氏が経営し、約300人の漫画家を抱えるシンフィールド(東京)に「マンガ看板」の制作を依頼した。

谷口社長は漫画の効果について「視覚は右脳、せりふは左脳に働き掛けるので、記憶に残りやすい」と強調。12年に実用新案登録、国土交通省の新技術共有データベース「NETIS」にも登録され、各工事の作業に対応した約100種類の漫画があるという。

ことし3月には看板の普及などを図るため、同フォーラムを設立し、NPO法人化を目指す。県内からは建設土木コンサルティングのNPO法人グリーンアース(那覇市)の前田憲一理事が副会長に就任。同NPO主催のセミナーが今月27日、那覇市内であり、建設会社から約100人が参加した。

来月には与那原町内の建設現場で採用される予定で、前田理事は「せりふをウチナーグチにするなど、沖縄らしさが出せれば親しみを持ってもらえる。建設業のイメージアップも図りたい」と広がりに期待する。

産業医科大学(北九州市)産業保健学部講師でフォーラム会長の庄司氏は「漫画で事故のイメージを視覚的に伝えることで、事故の減少につながる可能性が高い。データを蓄積・分析し、効果が科学的に証明できれば、より多くの現場で採用されるだろう」と話している。

沖縄タイムス記事-2

平成26年度7月特別セミナー(H26.7.4)

「失敗から学ぶ施工管理」
(宜野湾マリン支援センター・宜野湾市)
講師:福田 隆氏(市川市管財課)

福田講師4

7月特別セミナーは市川市管財課の福田隆さん(労働安全コンサルタント)による「失敗から学ぶ施工管理」と題した講演でした。

Ⅰ.失敗のメカニズム
失敗とは、「人間が関わっている」「望ましくない結果」といった『失敗の定義』から、失敗とは何かについてのお話が初めにありました。
この中で、日常生活における失敗や建設現場における失敗について具体例をあげての解説がありました。

次にヒューマンエラーの分類についての詳しい説明があり、入力エラー(認知・認識のミス)・媒介エラー(判断・記憶のミス)・出力エラー(操作・動作のミス)についての原因分析や対応方法等を解説して頂きました。

Ⅱ.事故・労働災害から学ぶ
建設現場でこれまでに発生した事故や労働災害事例を6つほど紹介して頂き、それぞれの発生状況や原因、対策について詳しい解説がありました。
又、失敗から学ぶ教訓として、「定められたことを守らないと災害が発生する。」、「工学的対策だけでなく正しく使うための教育が必要。」、「下水道や水路で作業を行う時は上流地域の降雨によって急激な増水があることに留意する。」等の説明がありました。

事故・労働災害を防止するための安全対策としては、N(無くす)・H(離す)・K(工学的対策)と管理的対策、個人用防護具の使用についての解説がありました。
○N:「無くす」
事例として、鋼矢板のサビや付着物を除去するなど。
○H:「離す」
事例として、カラーコーンを色分けし、安全通路・立入禁止場所・資材置場に設置するなど。
○K:「工学的対策」
事例として、橋型クレーンに障害物センサーを取り付けるなど。
○管理的対策
事例として、作業時間を制限する、防火管理体制・緊急連絡体制の確立など。
○個人防護具の使用
事例として、安全帯フックに蛍光マーカーを貼り付けるなど。

次に、福田家で起こったヒヤリハットの例として、夕食の支度中でのガスグリルからの煙発生事例についてのお話があり、安全対策を受講者の皆さんで考える演習の時間がありました。
多くの方々から様々な意見が述べられ、それらについてのまとめと解説によって、安全対策の手法を身近に感じることが出来ました。

260704会場

Ⅲ.設計・施工の失敗から学ぶ
失敗事例として、「施工直前に鋼矢板の強度不足等が判明」、「ボイリングにより立坑水没」、「水で浮き上がった構造物」、「到着直前に推進機が停止」、「新築マンションの建て替え」等についての紹介があり、それぞれについて、発生状況・原因・対策の詳しい解説がありました。

又、設計・施工におけるミスを防ぐための対策として、「しくみ」をつくる。・自己の能力を高める・3現主義の実行といった手法についての説明をして頂きました。

Ⅳ.品質管理・検査の失敗から学ぶ
失敗事例として、「中間検査時の評価が完成検査に影響」、「規格値を満足していても減点」、「かぶりに対する認識不足から減点」等についての詳しい解説と対策方法について詳しく説明して頂き、又、工事成績向上のポイントについても貴重な提案をして頂きました。

Ⅴ.失敗を生かす
失敗情報の知識化のために、次の5項目ごとに記述することが大切であるとのことでした。
○事象:どのようなことが起こったのか。
○経過:どのようにして失敗が進行したのか。
○原因:どう感じたか。どう考えたか。
○対処:失敗に対してどのようなことをしたか。
○総括:直接の失敗原因だけではなく、失敗を誘発した問題点や精神的問題など、全体を総括して洗い出されたことは。

又、それらを記録し知識化して伝達していくことが大切であるとのお話もありました。
最後に失敗を生かすにあたっての、福田先生からのまとめの言葉がありました。
☆失敗は貴重な経験です。
☆失敗を隠さないようにしましょう。
☆失敗の原因を分析して、再発防止対策を立てましょう。
☆失敗を忘れないように記録に残しましょう。
☆失敗とその対策を水平展開しましょう。
☆失敗から学んだことを次の世代に伝えましょう。

人間誰でも失敗はするものです。それらの経験を生かし再発防止に努めていく上で、非常に勉強になるセミナーであったと思います。

平成26年度7月定例セミナー(H26.7.19)

「工事成績評定の重要性とその仕組み」&「工事成績アップ10のキーワード」
(沖縄産業支援センター・那覇市)
講師:前田 憲一氏((一社)建設情報化協議会)

前田講師8

7月定例セミナーは(一社)建設情報化協議会の前田憲一講師による「工事成績評定の重要性とその仕組み」&「工事成績アップ10のキーワード」と題した講演でした。

はじめに、公共工事の品質確保の促進に関する法律の中の発注者の責務についての解説があり、発注者における監督や検査の中で施工状況の確認及び評価(工事成績評定)を適切に実施しなければばらない等の説明がありました。

次に、工事成績評定の仕組みの解説があり、工事成績採点表における各考査項目毎の評価方法等の詳しい説明をして頂きました。又工事成績アップ活動として、工事成績を見直しながら弱点を見付け、次の工事成績アップに繋げることの重要性を語られました。

会社組織での取組みとしては、着手時検討会における弱点を克服し考査項目毎に目標点を決めることや、プロセス管理における実施計画の遂行状況の確認・評価、検査前自主評価、工事成績反省会等の重要性について説明して頂きました。

工事成績採点表での注意点として細目別評定点採点表からアルファベット評価に変換して、過去の工事成績を細かく分析することの重要性や、工事成績評定要領の基本的解釈についての詳しい解説をして頂きました。

260719会場

施工体制一般においては、施工計画書を工事着手前に提出し、施工計画書の内容と現場施工方法が一致していること、施工管理においては、施工計画書が設計図書及び現場条件を反映していること等の細かい注意点の説明がありました。

プロセス管理においては、初期から検査前に至るまでの過程で、履行済・不履行・履行中・確実・不確実・対象外といった一覧表によって目標設定からチェック(対策)を進めていくことが重要であるとのお話でした。

最後にマンガの情報力を使った「マンガ安全建設看板」についての紹介があり、マンガを見ることによって無意識に効果的に伝えることが出来る有効性を解説して頂きました。

受講者のアンケート結果も評価が高く、とても有意義なセミナーであったと思います。

平成26年度8月特別セミナー(H26.8.1)

「CADを利用した図面の利活用」&「工事成績評定点と土木積算のコツ」
(名護市北部会館・名護市)
講師:吉本 哲也氏(福井コンピュータ(株))&池端 元彦氏・吉田 和央氏((株)ビーイング)

吉本講師2

午前の部は福井コンピュータ(株)の吉本哲也講師による講演でした。
① 建設業を取り巻く状況
アベノミクスにより、建設投資が東京オリンピックと東日本大震災の復興なども併せて、平成27年度には平成7年度の約1.5倍になると言われているとのお話でした。

② 社会インフラの3次元イノベーション
CIM、センサー技術、社会資本情報のプラットフォーム化、建設現場の工場化、無人調査(無人ヘリコプター)などの紹介がありました。

③ 業界は“CALS”から“CIM”へ
CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)によって、情報の交換から共有化へ、電子成果の利活用へ、個別から全体の改善へとシフトしていくとのお話でした。

④ 動き出したCIM
平成24年度からスタートし、全国11か所でモデル事業が実施されていることなどを紹介され、次に、3次元CADを動画で紹介して頂きました。これまでの2次元図面に比べて立体的にわかるので非常に実用的だと感じました。

⑤ 情報化施工でのCIM連携
国の施策の中で、CIMモデル(3次元情報及び属性情報)を、設計・施工・維持管理の一連の各段階を通じて有効に活用する手法・手順を確立するということになり、平成25年度より5年間で実施していくことを解説されました。
なぜ、今CIMを取り入れるのかというと、建設業に人がいないことから効率を上げるために、実施していくことになったとのことです。

⑥ 情報化施工
情報化施工のイメージを紹介して頂きました。情報化施工では、3次元情報の活用、建設機械・計測機器との連携、施工管理の情報化を図ることによって、業務効率・工期短縮・品質向上ができるということを説明されました。
つづいて、これらのことについて、トータルステーションを使った事例を紹介して頂きました。

⑦ 「使う」から「活かす」“情報化施工”
情報化施工は、4年間で9倍以上の活用件数になっており、情報化施工の中でも土工「TS出来形管理」の活用が圧倒的に多いとのことです。一般化推進技術の1万㎥未満の土工では、施工者希望型が約9割を占めており、情報化施工は国直轄だけではなく、確実に県工事レベルにも普及が進むとのことです。沖縄県においても、4年後くらいから実施される可能性が高いとのお話でした。

⑧ TS出来形管理
基本設計データ⇒出来形帳票⇒出来形計測⇒管理断面図 という流れになることを事例を挙げて説明して頂きました。これにより、設計データ作成の負担軽減が図れることを強調してお話されました。

⑨ 「CIM」情報化施工関連データの利活用
期待される効果として、情報の有効活用(設計の可視化)、設計の最適化(整合性の確保)、施工の効率化、高度化(情報化施工)、構造物の情報の一元化、統合化、環境性能評価、構造解析等、維持管理の効率化、高度化などがあるとの説明がありました。
そのあと、現状の設計データの作成方法を紹介し、今後の可能性として設計データの作成法要を対比して紹介して頂き、さらに3次元設計データシステムの概要を詳しく説明して頂きました。

⑩ 従来型とCIM型との比較
2つを比べると作業時間の違いが歴然としており、従来型で28時間かかるところを5.5時間で可能にし、効率化、省力化が図れることを説明して頂きました。
そのあと、設計図面の取り込み、横断設計照査、3次元設計データ作成システム、基本データ出力などについての紹介がありました。

⑪ 全国現場事例
全国で実施しているTS出来形実施事例、グーグルアースとの連携、TS出来形データの利活用についての事例を紹介して頂きました。

本日のセミナーを受講して、土木建築分野では経験と勘と度胸などと言われてきたが、経験だけでは解決できない問題が山積し、自動車メーカーや家電メーカーが世界と戦うために常に技術を磨き学び続けているように、建設分野の技術者も学び続け、情報を入手し続ける時代に来たのではないかと感じました。

260801会場

午後の部は(株)ビーイングの池端・吉田両講師による講演でした。
Ⅰ.工事成績評定点と土木積算のコツ(講師:池端 元彦氏)
⑴ 総合評価で大切なこと
① 施工計画・技術提案
② 過去の実績・工事成績評定点
施工した工事の評点をコンスタントにアップできれば、次回からの入札に有利になるということを説明されました。

⑵ 平成24年度地方整備局などの成績評定点
沖縄総合事務局の平均点は、77.7点となっている。大体みんな80点近い点を取っているとのことです。

⑶ 工事成績評定要領
①ほとんどの自治体が、国交省の工事成績評定要領を流用しており、項目別評定点についての表による説明がありました。主任技術評価官40%、総括技術評価官20%、技術検査官40%の割合で評価することを細かく解説して頂きました。

②工事成績採点表を紹介しながら、オール「b」(工事特性、創意工夫は除く)の評価だった場合「79.1点」となること、点数の取りづらい「品質」、「出来形」は少なくとも「b‘」を目指し、不足分は創意工夫で補えば80点の夢も近づくというアドバイスを頂きました。

③評定点を上げるためには
・法令、約款、仕様書、工事に関係する通知等を順守する。
・施工計画書を作成し、その通りに工事を施工する。
・施工記録を写真や書面等で確実に残す。
・設計図書が現場条件と異なる場合は、その内容を文章にして発注者に報告し、「外部専門家の意見も取り入れた対策を提案して協議し、検査時までに解決しておく」。発注者、請負者だけの自分勝手な都合での解決は何の意味もない。
・指示待ち業者は評定で損をする。
・必要なすべての管理を行い、出来形を規格値の50%以内に収める。
・技術、工夫、地域への貢献を書面により提案し、実施し、記録を残す。
・公表された成績評定を理解し、関係する体制、状況、出来形・出来ばえ項目のすべてをチェックする(事前に社内で自己採点する)。

安全対策は差が出やすく、出来形、品質は点数がとりにくいことを事例を挙げて説明して頂きました。品質管理で13,4点以上取った会社は、ほとんどの場合80点を超えていることの解説もありました。

1.Ⅰ施工体制一般
評価対象項目について「b」を得るためには、ほとんどすべての項目でチェックをもらわなければならないことの解説があり、次に、「施工プロセス」のチェックリストの項目について、どう対処すればチェックがつくのかについて説明されました。

1.Ⅱ配置技術者(現場代理人等)
こちらについても、先生の経験を通したエピソードを加えながら、各項目について説明されました。この中で、最も重要視されているのが監理技術者(主任技術者)であることを強調されていました。配置技術者の要は、監理技術者であることがここからわかるとのお話でした。

2.Ⅰ施工管理
ここは、主任技術評価官と検査官がつける項目があって、8.6点は侮れない項目であると言われました。
又、施工計画書が重要だということがわかってくることを説明され、これらの項目の中で、施工計画書が工事着手前に提出されているか、その都度提出されているかということが大切だとのお話でした。

2.Ⅱ工程管理
工事の進捗を早めるための取り組みを行っているという項目が弱いとのお話があり、工程に与える要因を的確に把握し、それらを反映した工程表を作成する。つまり、クリティカル・パスをしっかり把握しているかどうかが重要であるとの解説がありました。
実施工程表の作成及びフォローアップを行っているかどうかということも問われており、工程管理の深堀ということで、どうすれば点が取れるかという表の紹介もありました。

3.Ⅲ安全対策
安全パトロールにおける指摘事項に関して常に記録を残し対処することを強調され、特に安全管理に関しては、施工のプロセスにおいて記録を残していくことが最も重要だとのお話でした。書類の提出のタイミングを忘れないことも大切だの注意もありました。

本日のセミナーは台風の影響が少しある中ではありましたが、午前・午後共に非常に勉強になる内容でした。

平成26年度8月定例・石垣・宮古セミナー(H26.8.26-28)

「公共工事の流れと現状」&「公共工事の施工概論」
(沖縄市産業交流センター・建設業協会八重山支部・建設業協会宮古支部)
講師:菊地利彰氏(東京農業大学非常勤講師)

菊地講師

今回は東京農業大学の菊地先生にお越し頂きました。
【午前の部:公共工事の流れと現状】
先生の現在勤められている東京農業大学の紹介のあと、先生の経歴を簡単に説明して頂きました。

1.日本の近代化に貢献した土木事業
明治時代に民部省に土木司が設けられたところから、国の土木事業が始まったと言える。江戸時代には、諸藩で農民を集めて土木工事を行ってきた経緯はあるが、国として行ったのはそのころだろうとのことでした。そのため、土木工事の監督は、諸藩で土木工事にかかわっていた役人が行っていたようだと言われました。

1873年8月に「河港道路修築規則」というマニュアルができたそうで、その後大工事を行うために、オランダやドイツから技術者を募り工事にあたったり、優秀な日本人技術者を海外に派遣したそうで、この技術者たちが大活躍して造った構造物を、ビデオにて紹介されました。

次に、道路・鉄道などのインフラの整備についての説明がありました。
関東大震災の前は、第一次世界大戦の影響で日本は好景気であったが、この地震で、火災によって15万人の方が亡くなられました。
それが原因となって、近代土木の目覚めということで、コンクリート構造物が多く造られるようになり、耐震設計なども大きく育つことになったとのことでした。

家庭で電気が使われるような時代が来て、発電所の開発が進みダムによる水力発電がおこなわれてきました。又高度成長期にはこれが足らず、火力が増え始め、更には今問題になっている原子力発電所が開発されたことを分かりやすく説明されました。
そして高潮や津波・台風対策の必要性が高まり、第二次世界大戦後には大規模な台風被害を受けて、それに対する対策を必要としたことを、事例を挙げて説明して頂きました。
津波についても東日本大震災だけでなく、これまでいろいろな被害を受けてきた中で、防波堤などのインフラの整備を必要としてきたことを説明されました。

2.公共事業
「関東地方整備局における平成26年度の入札・契約、総合評価方式の実施方針等について」を参考にお話しされました。

⑴入札・契約・総合評価方式
○品確法と総合評価
公共工事の調達の特徴、公共工事の品質特性、公共工事の入札契約の流れ、国土交通省における入札・契約制度改革の取り組み、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の成立などについて説明して頂きました。

次に、総合評価方式の概要として、価格競争から総合評価へ、総合評価方式の適用のねらい、総合評価の代表的な方法、除算方式、加算方式について説明されました。
平成24年2月28日に方針が出され、①施工能力の評価と技術提案の評価に二極化、②施工能力の評価は大幅に簡素化、③技術提案の評価は品質向上が図られることを重視、④評価項目は原則、品質確保・品質向上の観点に特化ということになったことや、特に施工能力評価型においては、工事成績評定点が重要視されるようになったことを解説して頂きました。

260826会場

【午後の部:公共工事の施工概論】
3.施工概論
⑴鉄筋コンクリートの施工の重要性
1)鉄筋コンクリートの本質
本質について、①コンクリートの基本的な性質、②鉄筋とコンクリートを組み合わせて使う理由、③鉄筋コンクリートの利点(安価、耐久性に優れている、耐火性、耐震性がある、材料の入手が容易)、④鉄筋コンクリートの欠点(重量が大きい、施工が粗雑になりやすい、ひび割れが出やすい、局部的に破損しやすい、検査及び改正が困難、伝音度が大きい、破壊するのが困難等について、先生の経験を通してお話をして頂きました。

2) 鉄筋コンクリートの設計と施工の関連
コンクリートの施工については、コンクリートの父といわれている吉田徳次郎先生の言葉を紹介して頂きました。続いて②コンクリートの配合設計、③単位水量の少ないコンクリート、④まだ固まらないコンクリートの性質、⑤コンクリートの配合例、⑥混和材料の使用目的、中性化対策、塩害対策などについての説明がありました。

⑵トンネル
1)シールド工法
土木工事の中で最も技術が発展したのは、シールド工法でないかということで話が始まり、さらに山岳トンネルとの比較についても加えて説明されました。
シールド工法が利用されているインフラとしては、下水道が代表的であるが、ガス、電力、上水道、通信、共同溝などもあることを解説して頂きました。

その後、下水道シールド工事の施工の順序を説明され、加えてイギリスにおける歴史の古さを紹介された後、日本では1950年代に入ってから施工されたことを説明して頂きました。
シールドの歴史は失敗との戦いであり、それがあったからこそ今の高い技術があるとのことでした。続いてシールドマシンの掘削方法による種類についても解説して頂きました。
又、泥水シールド工法、土圧シールド工法について詳しく説明して頂きました。

①進化した技術
三連シールドによる地下鉄を一気に彫り上げる工法や泡が出てくる工法、部分的に拡大するシールド、球体シールド(立坑を自分で掘って、屈伸していく)、H&Vシールド、地中で接合するシールド、自由断面シールドなどその発展のすごさを写真等で紹介されました。

②日本の技術、ドーバー海峡を渡る
5分ほどの記録ビデオにて、工事の様子を紹介して頂きました。

2)山岳トンネル工法
①NATM工法
これについてもビデオで紹介して頂き、加えて従来工法についても紹介して頂きました。
又、NATM工法の掘削方法、掘削方式、支保の方法などについても解説して頂きました。

その後トンネルの歴史を写真等で紹介して頂きました。昔の施工方法は今見ると非常に危険が伴うものが理解できる写真の数々であったと思います。
次にレール工法、タイヤ工法などのズリ出し工法についての説明がありました。又発破工法やトンネルボーリングマシンなどの紹介があり、支保工の種類としては、ロックボルト、吹き付け工法等の種類について説明して頂きました。次に補助工法については、パイプルーフ工法の解説があり、セントルについての説明では、覆工コンクリートについて紹介して頂きました。

②青函トンネル(夢を掘り抜いた日本人の苦闘)
青函トンネルの記録ビデオを約30分見せて頂き、当時の日本の最先端のトンネル技術を見ることが出来て非常に感動しました。

ポイントポイントで、ビデオを使って頂いたお陰で、とても分かりやすく理解しやすいセミナーであったと思います。

平成26年度9月特別セミナー(H26.9.6)

「コンクリート構造物の塩害対策」&「コンクリートの基礎知識と工事現場で発生するひび割れ対策」
(沖縄県総合福祉センター・那覇市)
講師:田畑稔氏(フジミ工研(株))&崎濱明氏((株)あすもり建設コンサルタント)

田畑講師

午前の部はフジミ工研(株)の田畑稔建材部長による「コンクリート構造物の塩害対策」と題した講義でした。

1.コンクリートの耐久性
耐久性を損なう劣化原因を紹介され、劣化のメカニズム、劣化現象顕在化の背景、耐久性確保のための対策などについて説明して頂きました。

2.塩害によるコンクリート構造物の劣化過程
塩分が表面から侵入してきて不導体被膜が破壊され、鉄筋が腐食して最後にはかぶりのはく離はく落を伴う過程について説明されました。

3.外部からの塩分侵入による劣化進展曲線
劣化進展曲線のグラフをもとに、潜伏期、進展期、加速期、劣化期について説明して頂きました。

4.コンクリート中への塩化物イオンの浸透・拡散
海水、海水飛沫、融雪塩などがコンクリートの細孔を通って鉄筋に到達するいったメカニズムについて、フロー図を用いて説明されました。

5.コンクリート中への塩化物の浸透
グラフを用いて、コンクリート表面からの深さと濃度の関係を解説して頂きました。

6.許容塩化物量
コンクリート1㎥あたり1.2㎏/㎥は安全率を考えている数字で、腐食に至るには、その条件により異なると言われました。

7.鉄筋腐食メカニズム
ミクロセル腐食のメカニズムについて、図で説明して頂きました。

8.塩分の移動、拡散
塩分の移動や拡散についてグラフを用いて説明され、中性化を伴うと鉄筋付近の塩害の進行がさらに早くなることを解説されました。

9.塩化物イオン量分布の測定例
上記のことを実験例で説明され、内在塩分があると中性化速度が大きくなることをお話されました。

10.全塩化物イオン量の経年変化推定例
かぶり厚の異なりにより塩害の進行度合いが違うことを説明されました。

11. 塩害による鉄筋腐食、ひび割れ発生の形態
次に図を用いて初期ひび割れがあった場合となかった場合とにおいて、塩化物イオンの侵入距離が短くなる分、初期ひび割れがある場合の方が早く鉄筋腐食を招くことを解説して頂きました。

12.鉄筋腐食によるひび割れの発生形態
かぶりと塩害の進行の関係について図を用いて説明されました。

13.塩害の状況
写真を用いて塩害の状況を紹介して頂きました。

14.塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査
塩害が起こってから対策をすることは大変なので、塩害の抵抗性が大きくなるようにするために、耐久性照査を実施する必要があることを説明されました。

15.コンクリート表面における塩化物イオン濃度
海岸からの距離や飛沫帯について、塩化物イオン濃度の異なりを説明して頂きました。

16.塩害に対する検討
道路橋示方書・同解説 下部工編より、塩害の影響による最小かぶり厚について紹介されました。

17.塩害の影響地域
沖縄の塩害地域について解説して頂きました。

18.コンクリート中の鋼材の防食工法一覧
腐食性物質の環境からの除去、かぶりコンクリート中への腐食性物質の侵入・浸透の抑制、鋼材表面への腐食性物質の到達抑制、防食性鋼材、電位制御、防錆剤などについて事例を挙げて説明して頂きました。

260906会場

19.高耐久性埋設型枠(SEEDフォーム)
上記の中から今回メインとなる話として、SEEDフォームについての説明がありました。
①SEEDフォームは高強度モルタルを有機短繊維(ビニロン)で補強したプレキャスト埋設型枠である。
②打継面処理剤により表面処理することで後打ちコンクリートとの一体性も確保している。
③低水セメント比で密実であるため構造物の耐久性にも寄与する材料である。

20.SEEDフォームの配合と物性
物性と塩化物イオンの実効拡散係数について、表を用いて説明されました。

21.コンクリートへの塩化物イオン浸透量
これについては、非常に効果があることがグラフより理解できました。

22.耐久性向上技術の比較
従来の耐久性向上技術に比べて、SEEDフォームは非常に効果があることが比較表より理解できました。

23.SEEDフォームの製造状況
SEEDフォームの製造方法を写真で説明して頂きました。コンクリート二次製品のような流れで製品を作っていく様子が良く分かり、養生も促進養生で蒸気養生をして150㎥/日程度製作ができるとのことでした。
製造後、コンクリートと接する面を目荒らしするためにウォータージェット工法で行うそうです。製品の保管管理においては、ひずみが出ないような置き方で立て掛ける為のラックを用いていました。

24.塩害対策としての適用事例(RC橋脚)
東京ゲートブリッジを例に、施工フローを写真で説明して頂きました。

25.適用事例の2
津波防波壁の事例を紹介して頂き、1枚づつ組んでいくと足場が必要となるため、現場では3枚を一組に組んだ後に吊り上げて設置したことを説明されました。

26.適用事例の3
橋脚の急速施工工法(REED工法)への適用例を紹介されました。軸方向鉄筋に替えて自立可能な突起付H形鋼を使用しているそうです。

27.実績
これまでの実績を紹介され、塩害対策に特に活躍している様子が分かりました。

沖縄県は塩害が厳しい環境にあり、これからの構造物は100年耐久性が求められ、あるいはそれ以上の期間供用することを想定する中で、とても有効な工法だと感じました。
維持管理費が大幅に低減でき、耐久性向上技術としては、特筆すべきだとも感じます。

崎濱講師4

午後の部は(株)あすもり建設コンサルタントの崎濱明さんによる「コンクリートの基礎知識と工事現場で発生するひび割れ対策」と題した講義でした。

1.コンクリートの基礎知識
問題集を用いて、コンクリートが固まる仕組みや、骨材等の役割・必要な空気量・スランプ試験を実施する理由・混和剤の種類と効果・水分測定方法・ブリーディング対策等について解説して頂きました。

2.コンクリート構造物工事の工事成績評定
出来形及び出来ばえ(Ⅱ.品質)におけるばらつき・現場や試験室での写真の撮り方・コンクリート打設時の注意点・鉄筋の組立加工・養生・ひび割れ幅による判断基準について詳しく説明して頂きました。

3.ひび割れについて
まず始めに、ひび割れの発生例・代表的なひび割れの発生時期・ひび割れのパターンと発生原因・初期ひび割れの有無が鉄筋腐食量の経時変化に及ぼす影響・ひび割れ抑制の目的・ひび割れの補充要否基準・ひび割れ評価等について解説して頂きました。

①プラスティックひび割れ
沈下ひび割れの要因・同発生事例・変断面フーチングの施工方法・初期乾燥収縮ひび割れ等について詳しく説明して頂きました。

②乾燥収縮ひび割れ
乾燥収縮量に及ぼす要因・内部拘束ひび割れ・外部拘束ひび割れ・乾燥収縮の抑制対策・ひび割れ誘発目地等について解説して頂きました。

③温度ひび割れ
温度ひび割れが発生しやすい構造物・内部拘束型温度ひび割れ・温度ひび割れ指数・温度ひび割れ抑制方法等について詳しく解説して頂きました。

受講者のアンケート結果も良く、コンクリートに関して非常に勉強になるセミナーであったと思います。

平成26年度9月定例セミナー(H26.9.20)

「公共工事の評価と実際」&「法面補強工と新技術」
(石川地域活性化センター舞天館・うるま市)
講師:三田和朗氏(長寿補強土(株)代表取締役)

三田講師2

9月定例セミナーは長寿補強土(株)の三田和朗社長を講師としてお迎えしました。

【午前の部・公共工事の評価と実際】
公共工事に対するメディアの評価等についてお話して頂きました。
道路特定財源の廃止・沖縄における11万人集会(主催者発表)・環境ホルモン・ダイオキシン問題等、土木建築技術者にとっても関係が深い事柄における報道の現実の紹介がありました。

この中で先生からは、第三者(科学者・技術者・国民)が記事を検証し、社会や新聞社等に意見を述べることも重要であるとのお話がありました。
又、午前の部の最後には、沖縄を含む日本人のルーツや沖縄戦における沖縄県民の感情等、興味深いお話もして頂きました。

260920会場

【午後の部・法面補強工と新技術】
1.既に始まっている土木分野の超耐久性化
①コンクリート
竹中工務店が用いている500年コンクリート・長寿命の古代コンクリート・長寿命化コンクリート「EIEN」(鹿島)・高強度高耐久コンクリート(太平洋セメント)等の紹介がありました。

②鉄筋類の腐食対策
エポキシ樹脂塗装鉄筋・PVB被服鉄筋・ポリエチレン系特殊防錆樹脂(ヒエン電工)・ステンレス鉄筋・炭素繊維ケーブル・メッキ製品の高耐久化・ロープネット工法・IR被服鉄線・特殊フッ素樹脂コート等を紹介して頂きました。

2.長耐久性補強土への挑戦
LL補強土工(基本型)・LL補強土工(PN型)・長寿補強土(植生型)・長寿補強土(モルタル吹付型)・長寿ハイブリッド補強土等について、詳しく解説して頂きました。

最後に、崩壊周期を考慮した補強土工の高耐久性化手法とLLC評価の考察についてのお話があり、セミナーは終了しました。